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2005年 01月 21日
山崎ナオコーラ著/河出書房新社/2004年/050121
19歳のみるめと39歳のユリ、美術専門学校の生徒と先生という関係。 ふたりの恋は温度が低いけど、何故かあたたかい感じ。 タイトルの「人のセックスを笑うな」というのは つまりは「人の恋愛を笑うな」ってことなのだろう。 各々のやり方が違うのは承知の上なんだから、と。 作者は山崎ナオコーラ。前は山崎ロックというペンネームだったとか。 名前に重きを置かない人なのかもしれないです。それかその正反対。 冒頭、旋回と降下を繰り返す鳥に対して 主人公のみるめが「君たちはいったい何をやっているのだ」と問いかけるのも 結局はこのタイトル絡みなのではないかと思った。 ユリちゃんと疎遠になってゆく終盤に、次のようにある。 もし神様がベッドを覗くことがあって、 誰かがありきたりな動作で自分たちに酔っているのをみたとしても、 きっと真剣にやっていることだろうから、笑わないでやって欲しい。 冒頭の答えだと思う。 実際自分がその立場じゃないとよくわからないことだってあるんだ そんなことを暗に言っているようで。 ………… 第41回文藝賞を受賞した2作品を読んでみると、 両作とも主人公の一人称は「オレ」。 漢字で書く「俺」とカタカナ表記「オレ」の違いを改めて感じた気がする。 今の時代はカタカナの「オレ」。 少しだけ感じる、基盤がしっかりしていなような頼りなさ。 時代に即した一人称なのかもしれない、と思った。
by R_76
| 2005-01-21 20:26
| 本
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