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2004年 06月 29日
市川拓司著/小学館/2003年/040627
―「きみの隣はいごこちがよかったです。ありがとう」 「私もあなたの隣はいごこちよく感じていたわ。ありがとう」― 生真面目な恋愛とはこういうものなのかもしれない。 雨の季節に戻ってきます、という言葉通りに、 死んだはずの妻がアーカイブ星から帰ってきた。 誰よりも彼女を必要としていた、ちょっと足りない“たっくん”と彼の息子の祐司、 そして彼女の、つかの間だが幸せに満ちた日々の話。 最初はフィルター掛かった雰囲気に乗り切れずに読んでいたのだが、 終盤、とくに、“すべて”を知っていた彼女からの手紙を読んだとき 彼女のこれまでの行動の意味が読み取れ、切ない気持ちでいっぱいになった。 以前、市川氏がネットで連載していた『separation』(日テレで『十四ヶ月』としてドラマ化された)を読んだときも、 この人は何て“やさしい”文章を書くのだろう、と思っていた。 文章には人柄って出ますしね。 ちなみにこの作品は、 竹内結子、中村獅童主演で映画化が決まっており、今秋公開予定だとか。 余談:実はこの人は大学の先輩だということが判明(驚
by R_76
| 2004-06-29 10:14
| 本
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